鹿島アントラーズ

nyarock2004-08-05



鹿島0−1ヴァレンシア(8/4)


ヴァレンシアは予想以上にコンディションが悪くコンビネーションもまだまだだったために前半は鹿島がペースを握り、中島の飛び出しから決定機も幾つか作り出した。鹿島はバルサ戦の教訓からか普段よりも強めのパスを意識していたように思う。それ故のミスもあったけど、これはJでも継続して行って欲しい。後半はヴァレンシアが選手を数人代えたのに対して鹿島は交代が遅く、運動量の低下に伴って押し込まれる展開が続き、終了間際に失点。ヴァレンシアの選手ではディ・バイオが速いな〜くらいしか驚くポイントが無かったのは残念。まあバルサ観た後だしね。
 
前半は中島が素晴らしかった。FCひがしランニングでディフェンダーの前に入り込む姿は、柳沢というよりもむしろ中山雅史。無理な体勢からでもシュートを打つ姿勢はまさにストライカー。鹿島とは思えないくらいFWに決定機が数多く来ていたのは楽しかった。このようなゲームならば「決定力不足」と言われても当然。でも中島はこの悔しさを次に生かしてくれるだろう。

後半、押し込まれ始めた時点で増田から深井に代えて欲しかった。セレーゾは運動量やペースをキープするための交代という発想を持っていない(代表監督も)。疲れた選手を早めに代えないことがチーム全体の疲労を早めているってことに気付いてくれ。ライン下がりっぱなしなんだから。FWの守備参加をうるさく言うわりには出来なくなってもなかなか代えないのには納得出来ない。FWとフェルナンドはいつも代えるくらいでも良いと思う。

途中交代の深井に左サイドでの仕事をさせたのは当たったと思う。深井の左足でのグラウンダーのクロスは大きな武器なのでこれからも意識して使って欲しい。野沢へのマイナスのクロスは非常に良かった。

セレーゾは、スタメンは文句無し。大岩→池内は大岩に怪我させる訳には行かないので納得。増田→深井は遅すぎ。中島→田中康平(初登場!)は遅かったけど田中に実績が無いことを考えればやむなし。石川→大谷は予想外だったけれど大谷に出場機会を与えられたので非常に良し(普段のセレーゾならば内田か岩政だったと思う)。石川が軽傷であることを願う。

総じて良いPSM2戦だった。バルサは格の違いを見せてくれたしヴァレンシアは自信を回復させてくれた。特に磐田をも粉砕したロナウジーニョは日本サッカー界そのものに貢献してくれたと思う。ガキンチョの間でつま先引っ掛けドリブルとあっち向いてスルーパスが流行るに違いない。鹿島のガキンチョ野沢はバルサ戦でもヴァレンシア戦でも楔受けて即反転スルーパスを試してたけど。まるでピエールのスライダーシュートを即行で真似した翼くんみたいだ。

追記

今の鹿島アントラーズには夢が無い。始めはプロチームを作ることが夢だった。次はJリーグ1のチームになるのが夢だった。だがそれも達成し、磐田にアジア制覇を先に成され、国内タイトルからも遠ざかり、看板選手(=夢の体現者)である長谷川、秋田、相馬、熊谷がチームを去った現在、もはやかつての鹿島アントラーズではなくなってしまった。観客が大幅減少している理由は細かく見れば山ほどあるが、その根本にあるのは「夢を共有出来なくなった=自分のチームだとは思えなくなってしまった」ことだと僕は考える。

よって今鹿島アントラーズがすべき事は、新しい夢を提示することではないだろうか。例えば「いつの日か世界クラブ選手権バルサを倒す!」とか言ってくれたら僕はかなり盛り上がる。今回のバルサに近づき追い越すなんてかなり無茶な話だけど、でもそのくらい大きくて明確な目標こそが「共有する夢」たり得るのだ。